いのちの泉へ 11月

2023年11月1日

「わたしたちを愛に導くのは信頼であり、信頼以外の何ものでもありません」                      テレーズ

テレーズにとって、大切なのは神の働きかけ、恵みであって、個人の功績ではありませんでした。物事を聖化するかたは主だからです。それで、「最もふさわしい態度は、心の信頼を自分自身の外、すなわち、わたしたちを際限なく愛され、イエスの十字架においてすべてを与えられた神の無限のいつくしみの中に置くことです。」 教皇フランシスコ

強くなりたいと望んでいた一修練女へ

「もしあなたが子供のように弱く無力なものであることを神さまが望まれるなら、功徳が少ないと思いますか。一歩ごとにつまずき、転び、自分の十字架を弱々しく担うことを承諾し、自分の無力をお愛しなさい。神の恵みによって、自己満足を満喫させるような英雄的行為を果たすより、その方がずっといいのです。(列福調査供述)

自然界では一番ささやかな雛菊さえ定められた時には花を開くことができるように四季が配置されています。同じようにすべては一人ひとりのためによいように神さまは取り計らってくださいます。  
テレーズ

一人ひとりのためにすべてを備えられる神への信頼を深めたい。自分では理解できない出来事の背後にも、父である神の慈しみの愛を信頼して。自然界では美しく薫り高い花を咲かせるために、厳しさも時として必要とされる。いのちの強さが備わってゆくために、日々の労苦をそのような厳しさとして受け入れられますように。 
                  *いのちの道  伊従信子 サンパウロ 

わたしたちの人生はしばしば「恐れや、人間的な安泰への願望、すべてをコントロール下に置く必要」に押しつぶされている。テレーズが勧める神における信頼と委託は、「わたしたちを強迫観念的な計算、未来の不安、平和を乱す心配からわたしたちを解放してくれる。(…)もし、わたしたちを際限なく愛してくださる御父の御手の中にいるならば、あらゆる状況に見舞われても、どんなことが起きても、進んで行けることは確かである。」  教皇フランシスコ

伊従 信子(いより のぶこ) 
ノートルダム・ド・ヴィ