マリー=ユジェーヌ神父の生涯 - 神の力・人間の弱さ

001後に幼きマリー=ユジェーヌ神父(マリー・エウジェンヌ師)となる、アンリ・グリアルーは、1894年12月2日に、フランス中部の山岳地帯にあるガという村で、5人兄弟の3番目として生まれました。

父は、村の炭坑で働いており、裕福ではありませんでしたが、信仰の深い堅実な家庭でした。

002アンリが9歳の時、父は病気で帰らぬ人となります。
母は、家の借金と5人の子供をかかえて、昼夜を問わず働き家計を支えるようになります。

この少年時代、すでにアンリは、司祭になることへの招きを感じていました。

そして、貧しさからくる多くの困難を経て、同じ地方の教区の神学校で入学することになります。
母親は、いずれは、司祭となったアンリのそばで生活できることを夢見て、その授業料を払う犠牲をついに引き受けたのでした。

神学校で、アンリは、生涯の友となる聖女を発見します。

<テレーズ>

004それが、リジューの聖テレーズでした。そして、友達への手紙に次ぎのように書いています。

「君は幼きイエスのテレーズを知っているだろうか。リジュ―のカルメル会の修道女だ。彼女の自叙伝はすばらしい。
あれほど僕に感銘を不えた本はほかにはない。僕は自叙伝を何回も読んだ。
そして、もっと頻繁に読めるようもう一冊買ってしまった。
僕のために祈ってくれ。テレーズのように神の「小さな持ちもの」となって、
主が望まれるままに僕を扱うことができるように。
神のみ旨を完全に果たすことができる恵みを、僕のために願ってくれ。」
友人への手紙