カルメルの霊性 神と親しく生きるために(29) -幼きイエスの聖テレーズ-

2012年9月25日
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病床で十字架にバラの花を撒く テレーズ

イエスさまは

本当に悟りつくせないほどの愛で

わたしたちを 愛しておられます。

わたしたちにも

ご自分といっしょに人々を救うため

一役買わせようとお望みです!

主は わたしたちの協力なしに

何一つなさりたくないのです。

~ 幼きイエスの聖テレーズ ~


9月30日はテレーズの命日です。テレーズは二四歳で亡くなる前に次の言葉を残しています。「まもなく、わたしの使命がはじまろうとしています。わたしが愛しているように人々に神さまを愛させる使命、人々にわたしの“小さい道”を示す使命が」。テレーズには確信がありました、「わたしは死ぬのではありません、いのちに入るのです」と。

帰天後115年になるテレーズの死後の活躍は、確かに聖女の言葉を立証しています。それにしても、二四歳で死ぬまでテレーズは一体なにをしたというのでしょう。一五歳でカルメル会観想修道院に入り、亡くなるまで修道院の高い塀から一歩も外へ出ることはありませんでした。厳しい祈りの生活をひたすら人々の救いのために生きていたのです。修道院から一歩も出ることのなかったテレーズは死後、日本にキリスト教をもたらし聖フランシコ・ザビエルと並ぶ「宣教師の保護の聖人」に、そして帰天100周年には女性として三人目の教会博士に挙げられました。

このような彼女の死後の驚異的活躍の秘密はどこにあるのでしょう。それは神の慈しみの愛へのテレーズの深い信頼と希望です。「わたしが愛しているように、人々に神さまを愛させる使命」がはじまろうとしていると臆することなく言っていたテレーズ。わたしたちの日常の生活でなに一つつまらない、無意味なものはないのです・・・幼子のような信頼をもって父なる神との親しさに生きるならば。その親しさに生き、神のいのちそのものに生かされるようすべての人は招かれています。

伊従 信子

ノートルダム・ド・ヴィ