今日9月8日は聖マリアの誕生の祝日ですが、リジューの女子カルメル修道院での幼きイエスの聖テレーズの初誓願記念日でもあります。
今回は、1956年9月8日の福者幼きイエスのマリー=ユジェーヌ神父のミサ説教をお届けします。
教会は今日、聖マリアの誕生を祝います。
ですが、聖マリアの誕生の出来事は、福音書には記されておりません。
聖マリアが母親としての役割を果たしている時のみ、その姿が記されています。
マリアはゴルゴダの丘で磔刑にされたイエスの足元に、母親として立っていました。人類の母として。
でもその他はそんなにマリアの姿を見る事はありません。聖霊降臨の後の事も良く分っていませんし、どこから天に昇ったのかもわかりません。それが彼女の役割でした。母として働き、その後は静かに立ち去ったのです。彼女は隠れて沈黙の内に自分の使命を果たしました。
福音書には聖マリアの誕生の出来事は書かれていませんが、彼女の誕生は私達にとって、そして天にとっても大きな喜びです。
聖マリアは神の母となると言う特別な恵みを与えられて誕生しました。彼女には原罪が無いのです。 これは驚くべき恵みです。この恵みを前にして、全ての天使と聖人が聖母に向かって身をかがめています。 聖母がどんな聖人よりも大きな恵みをいただいているからです。 彼女が無原罪とされたのも、彼女がこんなにも特別な恵みをいただいたのも、天使や聖人を越えた存在であるのも、彼女が神から選ばれたからです。
聖母に向かって、私たちの喜びを表しましょう。聖マリアが神から選ばれ与えられたその恵みと霊的清さに。
私たちも ひとり一人が神から選ばれた存在です。一人ひとりに託され、その使命を帯びた洗礼の恵みに 与っているのです。私達ひとり一人に与えられた、素晴らしい恵みを理解できるよう、聖マリアの助けを願いましょう。
そして、この洗礼という大きな恵みが神の慈しみにより、神から無償で私たちに与えられた事に感謝しましょう。
洗礼の恵みは、私たちが置かれた場所で神からの使命を生きるとき、特に輝くのです。
また、今日(1890年9月8日)は、リジューの女子カルメル修道院における、聖テレーズの初誓願の日でもあります。
聖テレーズも神から選ばれた人でした。彼女はその人生において、特別な恵みを受け、神の慈しみを体験して来たのでした。
私たちはその時の聖テレーズの喜びを良く知っていますし、初誓願の時に彼女が唱えた祈り*も良く知っています。天国にいる聖テレーズを喜ばせ、その魂と一致するために、彼女が唱えた祈りを私達も唱えましょう。
聖テレーズは愛を求めました。愛は唯一、永遠の価値があり、この世でただ一つ、私達の魂を聖性に導き、 私たちの使徒職に価値を与えるのです。
聖テレーズがした祈りが、私たちの心の奥で更に深まるようミサの中で求めましょう。 彼女は愛を求めました。私達の祈りを聖テレーズの祈りに一致させましょう。彼女と共にするこの祈りは、 必ずや実を結ぶ事しょう。
(福者幼きイエスのマリー=ユジェーヌ神父1956年9月8日ミサ説教より抄訳:Y.Y.)