火のような預言者エリヤが登場した
彼の言葉は松明のように燃えた
シラ48・11
イエスラエルはこの炎によって神へと歩む道を再び見出した。
神の炎は わたしたちの心を造り変え神を見ることを可能にしてくださる。
~ベネディクト16世~*
7月20日は預言者エリヤの祝日となっています。でも残念なことに一般にはあまり祝われていませんし、知られていない預言者かもしれません。
預言者エリヤは民を父である神へと立ち戻らせるために選ばれた人です。エリヤが活躍したのはバアルの神を人々が拝む罰として、雨が断たれていた時でした。エリヤのとりなしで人々は真の神に立ち返りました。「見よ、わたしは大いなる恐るべき主の日が来る前に預言者エリヤをあなたたちに遣わす」マラキ3・23。
福音書にはイエスのご変容の場面で、「エリヤがモーセとともに現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた」(ルカ9・28~36)と記述されています。そのすばらしさにペトロはイエスに三つの仮の庵を建てましょうと提案しています。
神のみ前に常にとどまり、神の望みならば神のために戦ったエリヤはカルメル会においては常に「父」と仰がれて大切にされています。
昨年福者に挙げられたカルメル会士マリー=ユジェーヌ神父(1894~1967)は、エリヤの精神を現代に生きていたと言われています(フランス『カルメル誌』特集号)。
活動と観想の難しい統合を実現した人、単に頭の中のことでも、時間的なことでもなく「人に影響を与えずにはおかない確信をもって、祈りがわたしたちを変えてゆく力をもっていることを話していました。まさに神との忠実な関りによって、 彼自身変えられて、人々を燃え上がらせて神へ導く火、炎となっていたのです」
「忠実なエリヤの息子マリー=ユジェーヌ神父は、<火のように預言者エリヤが登場しました。彼の言葉は松明のように燃えていた>という言葉がそのまま当てはまる司祭でした。エリヤの真の弟子として、彼は真に火のように立ち上がりました。その火からいのち、光、力を得、そして絶え間なく神へ向かっていたのです。彼こそ生ける神の活ける証人でした。」(G・Hローマ特派員ラ・クロア紙『フランス・カトリック新聞』)
暑い日々がまだつづくことでしょう。そんなむさぐるしい日々の生活の中で「神から離れてしまっている心」を神へと向けて歩む日々となりますように・・・
伊従 信子(いより のぶこ)
ノートルダム・ド・ヴィ
* 『イエスの祈り』 ペトロ文庫 カトリック中央協議会出版
* 『神と親しく生きるいのりの道:マリー・エウジェンヌしとともに』聖母文庫
聖母の騎士社