カルメルの霊性 神と親しく生きるために(30) -信仰年に-

2012年10月24日

 

 猛暑に居座られた日本列島の長い夏もやっと終わり、このページをくるころは紅葉の饗宴に招かれていることでしょう。確実に時間が流れてゆくのを感じる季節です。諸聖人、死者の日を祝う11月は教会の伝統では死者の月とされています。典礼では終末に関する朗読が続き、教会の暦は年末となります!

 また今年は先月の11日から来年の11月の≪王であるキリストの祝日≫まで信仰年とされています。「≪信仰の門」を通って神との交わりの生活へ、神の教会へと導かれます。」(『ポルタ・フィデイ』教皇ベネディクト16世)。                    

 

洗礼によって           Windmere 湖への道

この門から生涯にわたる旅

神との一致に至る旅に

出発しました。

 

 

 洗礼の恵みによって、わたしたちは「神のいのち」に真に参与することができます。この恵みは、メッキのようにわたしたちの表面を覆うのではありません。・・・パン種のように中へ入り込んでゆくのです。粉に混ぜられたパン種は、その働きを外部から止めることはできません。どんどん中で広がって全体を変化させてゆきます。このように、わたしたちは「神のいのち」に包まれていると同時に、「神のいのち」が入り込み、それによって変えられているのです。

 

  ときとして、霊的な生活と日常生活は別々に存在するかのようなに思われます。霊的生活とは「神のいのち」が徐々にわたしたちのうちに日々浸透し、わたしたちを全き神の子とするまでに中から変えてゆく生き方のことなのです。

             ~『いのりの道をゆく』(聖母の騎士社)より~

 

 さまざまな出来事があり、とかくあわただしく過ぎてゆきそうな日々の生活の中で、復活されたキリストをさらに深く信じることができますように。

                     伊従 信子

                    ノートルダム・ド・ヴィ