今回は2012年8月14日に掲載しました 『被昇天のマリア』をご紹介します。
執筆者:伊従 信子(ノートルダム・ド・ヴィ会員)
キリストの母マリアが天にあげられた祝日、被昇天はエルサレムでは五世紀頃から神の母マリアを記念して祝われるようになりました。マリアが天にあげられた日として祝うようになったのは東方教会では六世紀頃のことです。七世紀にはこの伝統は西方教会にも受け継がれ、八世紀頃にマリアの被昇天の祝日として定着するようになりました。一九五〇年に教皇ピオ十二世はマリアが霊も肉体も天にあげられたことを教義として宣言されました。マリアは母としてキリストと最も深く結ばれておられ、真っ先にキリストの復活と栄光にあずかっていることを教会はこの祝日にあたり祝います。
被昇天の祝日は聖母だけでなくわたしたち一人ひとりの祝日でもあるといえるでしょう。 被昇天のマリアはキリストの復活を通して与えられる命の充満に光り輝いておられます。キリストはご自分の救いのみ業に全面的に協力された母マリアを救いの初穂となさいました。すなわち、マリアの被昇天はキリストを信じるすべての人々に与えられる「保証」なのです。それでわたくしたちは、被昇天のマリアへわたくしたちの「希望」の星として走りよります。
天に上げられたマリア、被昇天のマリアは、人は神と一致するために創られたという確信を与えてくれ、その確信をさらに深めてくれることでしょう。
神の慈しみの宝をいただきに被昇天の聖母へ向かいましょう。被昇天の聖母を通して与えられる慈しみの宝は無償の贈り物です。この恵みの動きを見逃さないようにしましょう。なぜ無償の賜物なのでしょう。わたくしたちの功徳とまったく無関係に与えてくださるからです。
全能永遠の神よ、あなたは、御ひとり子の母、汚れのないおとめマリアを体も魂もともに天の栄光に上げられました。信じる民がいつも天の国を求め、聖母とともに永遠の喜びに入ることができますように。
典礼の祈りより