三位一体の聖エリザベットの祝日を記念して、今回は2011年10月に掲載しました伊従さん執筆の記事をご紹介します。
※三位一体のエリザベットは2016年10月に列聖されましたので、『三位一体の聖エリザベット』と訂正してあります。
神と親しく生きるために
天国は父の家です。私たちの天国への帰還は
ちょうど愛されている子がしばしの流たくの後
家に帰るのを待ちわびられているようなものです。
その旅路の伴侶をほかならぬ主ご自身が引き受けてくださいます。
心の中でその主とともに生きてください。
主の現存のうちに潜心してください。*
ー三位一体の聖エリザベットー
このページをくる頃は、いくらか秋の訪れが感じられるでしょうか。諸聖人の祝日ではじまる11月は教会では「死者の月」とされ、今は亡き家族の者、知人、友人、特に今年は3・11で亡くなられた方々とそのご家族を特別に祈りのうちに思い起こします。そして、毎日の典礼では終末に関する朗読が続き、教会暦は年末となり、待降節を迎えることになります。
そのような節目の月にあたって、「死」とは誰もが例外なく100%の確率で迎える出来事である以上、「その時」に備える日々としたいものです。
三位一体の聖エリザベットは初聖体の日に「あなたの名は、このよき日に成就する神秘を秘めています。あなたの心は地上において<愛である神の家>エリザベットです」と明かされました。それ以降、彼女は子供ながらにも神が自分のうちに住まわれている神秘を深め体験してゆきました。
主は常に私のうちにおられ、昼も夜も心と心をひとつにして生きております。永遠への準備をしましょう。主とともに生きましょう。主のみがこの大きな移行に際して、私たちに付き添い助けてくださることができるのですから。*
エリザベットは、死者を「至福直感の光のうちに神の栄光を受けている人々」と言っています。彼女の関心は、その人々を満たしている同じ方が私のうちにもおられるという事実、神の現存です。死者の月にあたり、神の現存を実践して、すでに亡くなった方々のために祈り、かつ「決定的瞬間」である自分の死に備える日々といたしましょう。
伊従 信子
* 『神はわたしのうちに わたしは神のうちに』聖母文庫