神と親しくなるために(11)

2011年3月1日

神との親しさを生きるために

     幼きイエスのマリー・エウジェンヌ神父 ocd  -3-                                       

                                      

 

マリアは 

み言葉を身ごもり       

彼女の すべては

みことばへとむかいます

―幼きイエスのマリー・エウジェンヌ神父 ocd― 

                        お告げ

どこからともなく漂う梅の香りは、寒さのうちに春を告げ知らせてくれます。三月に入るとすぐに灰の水曜日、四旬節がはじまります。そしてマリアのお告げの祝日・・・おおくの芸術家はさまざまなお告げの場面を描いてきました。

お告げのときのマリアの驚き。しかし、マリアはこのメッセージがどこからのものか知っていました。マリアは神のみ言葉を信じて受け入れ、そして自分自身をささげましたが、そのように促したのは聖霊でした。

外からと同じぐらい強いうちからの不安、自分のうちに芽生え去来する疑いからの不安のうちにマリアは浸っています。しかし信仰のうちにすべてを神にまかせ、委ねます。

マリアは最初からすべてを理解したわけではありません。けれども生涯にわたって聖霊の動きと一つでした。マリアはイエスを見つめます。彼が神の子、あがない主であることを知っています。そして彼に従うのです。すべてはそこにあります。受難の「時」が来るとイエスはエルサレムに上られます。母マリアも彼に従わなければなりません。母のまなざしは子供、青年、聖人となったイエスのまなざしに見入り、信仰と愛によって苦しむ人の深みに入ります。

彼女は息子をささげ、完全に与えます・・・何故マリアはとどまるのでしょう。彼女は希望し続けるからです。

母マリアとともによい四旬節を過ごすことができますように。

 

                      伊従 信子

ノートルダム・ド・ヴィ

     

『神と親しく生きる いのりの道』

聖母の騎士社、2009