クリスマス前夜の幼きイエスと聖ヒエロニモの会話:*2
幼子: 「ヒエロニモ、わたしの誕生日に何を祝ってくれる?」
ヒエロニモ: 「訳し終えたあなたのみ言葉を!」
幼子: 「ちがうよ、(聖書の翻訳のお祝いではなく)欲しいのはそれではないよ」・・・
ヒエロニモ: 「では、聖なる幼子よ、あなたが望まれもしないないことのために、わたしは40年という長い年月を費やしたとのですか。…あなたが望まれるのは貧しい人たちへの施し?断食?隠遁者になること?」と問いただします。
幼子: 「違う、それではない・・・。」
ヒエロニモ: 「わたしは持っているものすべて、わたしのすべてをあなたに差し上げます。」
幼子: 「それもいいけど・・・」。
ヒエロニモ: 「聖なる幼な子よ、わたしはこれ以上なにもあなたに差し上げるものはありません。いったいお誕生日に一番あなたを喜ばせるものって何ですか。」
幼子: 「・・・約束してくれるかい、ヒエロニモ」
ヒエロニモ: 「主よ、もちろん・・・」
幼子: 「では・・・お前の罪をおくれ…すべての罪を・・・」
ヒエロニモは困惑して尋ねました。 「主よ、わたしの罪を一体どうなさるのですか。」
すると幼子は 「お前の罪をおくれ、罪を全部赦したいんだ。」
この救い主イエスの答えに、ヒエロニモは愛すべきイエスへの愛と喜びのうちに涙しました。
日々の忙しい生活のなかでも、「真のいのち、救い主イエスの誕生」を聖マリアとともに待ち望み、希望にあふれた降誕祭をお迎えください。
伊従 信子(いより のぶこ)
ノートル・ダム・ド・ヴィ
*1 「いのちの泉のほとりにて」 ドン・ボスコ社 伊従信子
*2 テレーズの姉レオニーが毎年待降節に読んでいた幼子と聖ヒエロニモとの会話(伊従編訳)