テレサとテレーズ(10)最終回

2016年8月20日

東京教区カトリック関町教会 テレジア祭2015の企画の一つとして
昨年9月27日に片山はるひが『テレサとテレーズ』というテーマで講話を行いました。
その講話を10回に分けてご紹介していきます。

今回はその10回目 最終回です。

テレサとテレーズ

『テレサとテレーズ』(最終回)
片山はるひ(ノートルダム・ド・ヴィ会員)


イエス・キリストを探すこと

テレサが徹底的に教えてくれるのは、「イエス・キリストを探しなさい」ということです。テレサはだいたいのことに鷹揚(おうよう)です。彼女の有名な言葉に、「神さまはお鍋の真ん中にもいらっしゃいます」というものがあります。これは、あるシスターが、「仕事ができて台所に行かなければいけないからお祈りができない」と言ったときに言われた言葉です。聖堂でなければ祈れない、ひざまずかなければ祈れない、ではなく、「あなたの内におられるのだから、あなたが仕事をしなければいけないときにはその場で祈りなさい。神さまはくっついていてくださいます」ということです。

ただ、彼女が絶対に譲らなかったのは、キリスト者の祈りはイエス・キリストを探すことだということです。

 

祈る時、すぐに一緒にいてくださる方を探しなさい。主はすぐそばにいてくださいます。

これほど良い友なしにいてはなりません。心のまなざしを主にそそぎましょう。

主のそばにとどまっていましょう。あなたが、主を捨てないかぎり、

主があなたを捨てることはありません。             

 (『完徳の道』26-27章)

 

ですから、イエス・キリストを探してください。

それでは、最後に5分ほど目を閉じて、テレサの祈りを祈ってみましょう。

 

主よ、私たちは今日、忙しい生活の中でこの聖堂に集まりました。

しばらく、あなたとともにこのひとときを過ごしたいと思います。

 

私はあなたを信じています。

あなたがともにいてくださることを信じてきました。

でもときどき、あなたがいつもともにいてくださることを思い出しませんでした。

 

主よ、あなたがありのままの私を愛してくださることを信じさせてください。

 

疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。

休ませてあげよう。

わたしは柔和で謙遜な者だから。

 

主よ、あなたの優しさ、あなたの心を私に教えてください。

 

主はよき牧者、私は乏しいことがない。

あなたは私の手を取ってともに歩いてくださる方。

心のまなざしを主に注ぎましょう。

主のそばにとどまっていましょう。

あなたが主を捨てないかぎり、主があなたを捨てることは決してありません。

 

そして、テレサは皆さんに彼女のこの祈りを伝えてくれます。

 

何事もあなたを乱すことなく何事も恐れてはならない。

すべては過ぎ去る。神のみ変わらない。

忍耐は全てをかち得る。

神を所有する者には何も乏しいことがない。

神のみで足りる。
〔2015年9月27日 関町教会聖堂にて〕

まとめ=関町教会広報部