在俗会とは?-パン種となって生きる

マリー・エウジェンヌ師の創立したノートルダム・ド・ヴィは、「在俗会」(secular institute)です。在俗会とは、1947年、ピオ12世により公式に認可された新しい形の奉献生活で、第二バチカン公会議がもたらした、奉献生活における重要な刷新の実現の一つです。

在俗会が誕生するまで、すべてを神に捧げて生きる生き方(奉献生活)は、修道者にのみ認められた生き方でした。ですから新しい刷新とは、「信徒として」奉献生活を営むということです。修道者が、目に見えるしるしとして、世にはたらきかけるとすれば、在俗会員は、普通の社会人として、日々の仕事を通して、パン種のように、内側から世にはたらきかけようとします。

変わらない点は、神への徹底的奉献です。従って、会員は、修道生活と同じ三つの誓願(従順、清貧、貞潔)をたて、福音の招きに徹底的な形でこたえて生きることを誓います。その本質においては、在俗会のめざす理想は、修道会の理想と全く変わりません。

ノートルダム・ド・ヴィの場合は、女性、男性、司祭の三つの部が一つの精神で統合された在俗会です。入会するには、家族を離れ、会の本部で共同生活をしながら2年間の養成を受け、三つの誓願をたてます。司祭としては、教区司祭の中から司教の許可のもと、在俗会に所属する場合と、また、一つの在俗会の司祭として、直接会に所属する場合があります。

カルメル会の霊性を汲むノートルダム・ド・ヴィでは、日々の生活の中で、「沈黙の祈り」の時間を特に大切にしています。会員達は、朝と晩に祈りの時間を持ち、それによって一日の仕事を神の現存で満たすことができるようにと心がけています。会の本部で行われる2年間の初期養成と、その後の生涯養成で培われたものは、心を守るための盾ともなり、会員同士の緊密な絆によって、相互のサポートが与えられます。年の黙想の際には、黙想の家で共同生活を行いながら、会員同士の家族的な交わりを大切にしています。